おがえもん廃線研究所

調査時期 平成13年1月 

北海道・道東
国鉄中津川線
Nakatukawa Line
未成線
飯田〜中津川間 約37km

中津川線とは

 長野県伊那地方と岐阜県木曽地方結ぶ鉄道として計画されました。計画当時、飯田と名古屋までは、飯田線豊橋経由で約4時間かかり、中津川線が開通すると約半分の2時間で結ばれる構想でした。全線単線で、延長約37km、途中6駅と2箇所の信号所が予定されて、路線の半分がトンネルをしめる路線でした。
 昭和42年着工で、飯田市内から工事が始まり、伊那中村駅〜伊那山本駅付近から着工し、この付近では路盤やトンネルが完成していました。昭和49年開通を目指していましたが、山岳路線の為工事が難航し、神坂〜昼神間の県境付近を貫く最長の神坂トンネル(延長約13km)の着工が昭和49年になってしまい、工事の遅れが中津川線の開通にブレーキをかけてしまいました。
 当時の国鉄経営は危機的状況で、建設中の路線の工事凍結が叫ばれるようになりました。昭和55年に国鉄再建法が公布され、中津川線も工事が凍結され、後に廃止となってしまいました。工事の着工率は約20%でした。開通していれば、飯田と名古屋を結ぶ重要路線となり、他の未成線からすると相当の利用者数が見込まれていたと思われます。最長トンネルの神坂トンネル(延長約13km)が貫通していれば、中津川線の状況も変わったかもしれませんね。
 現在、中津川線が開通する区間には中央高速が開通しています。中津川線は現在の中央高速に沿って進む予定でした。この区間には高速バス「いいなかライナー」が約1時間おき、所要約48分で運転さています。中津川から名古屋まで特急でリレーする切符も発売され、飯田〜名古屋間を最速1時間43分で結んでいます。もし中津川線が開通していれば、所要時間1時間30分を切る事は間違いなかったでしょう。
 現在、昼神には昼神温泉郷という温泉街がありますがこの温泉は中津川線建設工事で湧出した温泉なのです。神坂トンネルのボーリング調査で湧出し、温泉街に発展したそうです。この温泉街に昼神駅が出来る予定でした。温泉の湧出などが工事の遅れの原因にもなったのでしょう。 

 

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