おがえもん廃線研究所

国鉄佐久間線
現地調査 Part2
船明駅〜遠見横山駅

 二俣川橋梁から先へ進めると、函きょ(写真左)がいくつか残されていました。路盤はその先で一旦建築資材置き場に姿を消します。

 小さな峠を過ぎると再び路盤は現れ、再度開けた平野を築堤で進みます。

船明駅予定地

 写真左のあたりが船明駅の予定地です。路盤の状況からして、この駅も片面ホームだけの停留所の予定だったものと思われます。

 この地区の築堤は函きょの撤去が進み、一部の築堤の取崩しも始まっています。近い内にこの地区の築堤は無くなるものと思われます。

 船明駅を出ると、またすぐにトンネルに入ります。918mの船明トンネルです。

 廃線跡の構造物のほとんどに銘板が取り付けられています。トンネルの表記を隧道と書く場合もあります。新しい表記はトンネルと示すようです。

 船明トンネルの反対側は船明ダムの湖岸にあります。国道の真下に出口があるので対岸からしか確認することができません。

 トンネルを抜けると第一天竜川橋梁の橋脚があったのですが既に撤去されたようです。

 トンネルの対岸には廃線跡が続きます。その先で廃線跡はサイクリングロードとして整備されています。その先には漕艇場とマリーナ、艇庫が新設されています。そのアプローチ道として佐久間線の廃線跡が利用されています。第二天竜川橋梁の橋脚を利用してアーチ橋が設置されサイクリングロードとして整備されました。この橋脚がダムに浮かぶ姿が佐久間線の廃線跡の象徴でした。

相津駅予定地

 下の写真は相津駅予定地です。高架上にホームが設けられる予定だったようです。片面ホームのみのようです。

駅の場所は第二天竜川橋梁を渡りきったトンネルの手前です。駅予定地の下は広場になっていました。

最後の構造物

 相津駅を出るとトンネルに入ります。2本目のトンネルの出口がここです。

 このトンネルを最後に佐久間線の廃線跡はぱったり消えます。トンネルには電線が引き込まれおり何らかの施設として利用されているようです。

 ここから先、国道と天竜川を越えて北へ進む予定でしたがここから先は着工していなかったようです。

 天竜市横山地区まで着工したところで工事は凍結され事業中止、廃止になりました。この付近に予定では遠江横山駅が設置されるはずでした。

 佐久間線の沿線で一番民家が多かった町です。多いと言っても・・・。

 駅の場所は特定できませんでした。天竜川を渡った所が駅の予定地だったのかもしれません。

 トンネルの出口の先に製材所がありその先に公民館がありました。この場所はトンネルからの延長線上から佐久間線の廃線跡だと推測できます。築堤か、高架橋で進む予定だったのでしょう。何か無いかと探すと、公民館の脇に鉄道の敷地区域標があるではないですか。「工」マークが記してありました。まぎれもなく鉄道用の物ですね。

おわりに

 未成線の廃線跡は一度も利用せず、せっかく作った物を再度壊すという無駄な作業をしています。国鉄の乱脈経営の象徴とも言えますね。税金の無駄遣いとしか言えません。

 ところで未成線などの廃線跡の撤去費用は誰が払っているのですかね?やはり税金が使われているのでしょう。でもどれくらい使っているのか興味があります。

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