おがえもん廃線研究所

国鉄美幸線
現地調査 Part2
仁宇布駅〜志美宇丹駅

未成線区間

この先へは列車は進めなかった

 仁宇布駅から先の区間は、開業せずに廃止となった区間です。歌登を経てオホーツク海の街、北見枝幸まで開通する予定でした。昭和40年代前半から興浜北線の北見枝幸側から工事は開始され、路盤工事は100%終了していたが開通する事が出来ませんでした。開通しても採算が取れないからです。美幸線は沿線に大きな街が無く美深を出ると歌登まで街らしい街はありません。仁宇布駅を出ると次の予定駅まで約20Hもあるのです。その間、民家は一切無く山奥を進むのです。もちろん平行する道路も整備されていない程の山奥なのです。現在は整備されています。もし、国鉄再建法が施行される前に開通していれば、平行道路の未整備ということで、特定地方交通線の対象から外されていたでしょう。深名線が廃止から免れたのはその為です。(但し平成7年に廃止)他に、JR東日本の山田線や岩泉線も免れた線区です。

 美幸線の未成線区間の構造物は、多くが撤去されているのが現状ですが、一部残っていたり、面影を残している所も多数ありました。特に山岳区間は線路のみ撤去しただけで構造物は残されています。平地区間の盛土は崩され畑や牧草地に戻されています。

 廃線に残されていたバラストは新品で角がとがっています。全然使っていない証拠です。列車が通っている区間のバラストは列車の振動などで角が丸くなるのです。

 


今もむなしく残る車止め

仁宇布〜北見大曲までの20kmは無人地帯

築堤も壊されていく

高規格仕様のため踏切は一切無い
どんな山奥でも道路とは立体交差

10数年経っていてもバラストは新品同様!
角がとがっている

廃線跡の第2の人生

 美幸線の第二大曲トンネルは、拡張工事が施され、道道として整備されました。まさに廃線跡の有効利用ですね。
 上の看板はトンネルの北見枝幸側の出口にあるパーキングにあります。
 尚、文中でレールが敷かれないままとありますが、実際には敷いてありました。工事凍結が決まった後で、青函トンネル建設に転用する為、いち早く撤去されたそうです。


仁宇布側の出口

北見枝幸側の出口

北見大曲駅予定地

 仁宇布駅を出て約20H、やっとの事で隣の駅北見大曲駅予定地(たぶん)です。この間、民家は一切無く、この大曲駅近くに2軒ほどの民家があるのみ、この人たちの為の駅なのかな?今は住んでる様子はありません。尚、この付近の廃線跡は整地されていました。

 その次の上徳志別駅予定地も近くに民家が2軒ほどしかありませんでした。共に牧場でした。


上徳志別駅予定地

山肌にぽっかり空いたトンネルの出口
手前の土手は崩されていました。
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